<ボイス―深淵からの囁き―>やっぱりスペイン映画は面白い
Netflix映画「ボイス―深淵からの囁き―」(2020)
冒頭から良作の匂いをプンプン漂わせる異様な効果音に期待が高まってしまう。全てはスペイン語の響きのせいか、蝿の羽音のせいか。
家屋修繕を生業としている一家。彼らが次に選び引っ越してきた中古の屋敷で、息子のエリックだけが不可解な囁き声を耳にする。
Don’t Listen Official trailer (HD) Movie (2020) - YouTube
蝿
ホラー映画といえば蝿である。悪霊か悪魔かはたまた得体の知れない存在なのか・・・
この映画も蝿の描写がストレートに表現されている。家の一ヶ所に湧き続ける蝿、〇〇に侵入する蝿、蝿、蝿、蝿。考えたことはないが、蝿は何かの象徴なのだろうか?禍々しい、この世のものではない何かの“器”なのだろうか?
とにかく悪霊系ホラー映画にはよく蝿がでる。
トランシーバー
広い屋敷なので様々な場所にトランシーバーが置いてある。息子の部屋やリビング、浴室にもある。用事がある時や何か起きた時に、幼い我が子とすぐ会話ができるのは重宝するが、そこに得体の知れない音が紛れ込んできたらと思うと背筋が凍る。
夜な夜な息子のエリックが誰かと交信している。その声はパパのダニエルだと。
不可解な事件
一家に最悪の事件が起こる。まさかの早急すぎる展開に衝撃を受けたが、この映画はスペイン産だったことを思い出した。そうだ、一筋縄ではいかないのがスペインだ。
ひとり家に残った父ダニエルが、屋敷の異変に気がつき心霊現象の真相に迫っていく。
「あの世からの声」妻を失った心霊作家ヘルマン
いやいやいや、専門家を呼べよ・・・とは思ったが、このおじいちゃん以外にもタフだ。
娘を助手に連れて、インシディアスに登場する二人組を薄めたような調査を始める。メインは音声収集機とサーモグラフィー。実態がないはずの霊が温度センサーに反応している。一体これはどういうことだろう。
とにかく何かいる。サーモグラフィーが反応している。そして霊体がいる屋敷で単独行動をしつつに寝泊まりもする・・・怖くないのだろうか。
ちゃんと専門家を呼ぼう。
悪霊の正体
人々に取り憑き操る系の頑張っても抗えないタイプの悪霊。
結構最悪な部類に入るのではなかろうか?まさしく深淵からの囁きである・・・とは言っても、悪霊に取り憑かれたらだいたい抗えないので、よくあるタイプの悪霊だ。だだその力はかなり強そうで結構メンタルにくる。
果たして悪霊の正体とは。ヒントはスペインと裁判。
伏線回収
それなりに回収してくれる。
息子が描いていた気味の悪い予知絵、トランシーバー。途中若干の中弛み感は否めないが、全てはこの家を選んだことで悪夢の連鎖が始まる。
蝿の恐ろしさよ・・・きっとあの人にもこの人にも・・・あゝ衝撃のラストよ。
最後に・・・
スペイン映画にはなぜかとっても期待してしまうというほど、スペイン映画には良作が多い気がします。
近年だと「プラットフォーム」が記憶に新しく、個人的には「オール・アバウト・マイ・マザー」や「インビジブル・ゲスト」、「私が生きる肌」などがお気に入りです。どれもこれもクセが強い。
今後も大いに期待したいスペイン映画でした。
総評
★★☆☆☆