山羊のいけにえ

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<ムーンフォール>エメリッヒの地球破壊を全力で楽しむ!!都市伝説+パトリック・ウィルソン=覚醒

 

ムーンフォール(字幕/吹替)

月が地球に落ちてくる・・・

いったい今度は何をしてるんですか、エメリッヒ監督。

過去あれだけ地球を壊滅の危機に追い込んだ監督が、こともあろうか今度は月を落とそうとしている。 

[あらすじ]

2021年、NASAの宇宙センターは衝撃と緊張に包まれる。謎の力で起動から弾かれた月が、数週間で地球に衝突するというのだ。謎に立ち向かう危険な任務に、NASA副部長のジョー(ハル・ベリー)、超一流の宇宙飛行士だったが、ある事故の責任からNASAをクビになったブライアン(パトリック・ウィルソン)、自称“天文学博士”で陰謀論者のK.C(ジョン・ブラッドリー)が挑む。果たして、最終手段の核爆弾が用意され、人々がパニックに襲われる中、彼らは人類を救うことが出来るのか?そして月に隠された秘密とは?

アマゾンプライムビデオより

日本初上陸!SFディザスターパニック映画『ムーンフォール』| ティザー予告編 - YouTube

 

なんとなく宇宙とは縁がなさそうなパトリック・ウィルソン

陽気なスターロードを匂わせ宇宙に登場した時点でワクワクがとまらない。悪魔と対峙している時は確固たる地位を築き、ただならぬA級オーラを漂わせるが、宇宙でヘラヘラ歌っている・・おいおい、どうしたパトリック・・・変な期待が高まる。

 

マイケル・ペーニャが出てればたいてい面白い

なんか出てきたら嬉しい俳優にジョン・レグイザモと肩を並べても良いくらいわくわくするのがマイケル・ペーニャだ。

高級車販売会社の社長で超ハイテク屋敷に住んでいる。パトリックの元嫁の再婚相手。家電をGoogleで操る。今作では全くと言っていいほど活躍がないのが残念でならない。一緒に月まで飛んで欲しかった。

 

月とは何か?私たちの常識とは?人類の起源とは?

ぶっ飛び映像&超SF映画の根底にあるテーマ。私たちが学んできた事は真実なのだろうか?月が巨大建造物であるという都市伝説的な考えはあまりにも突飛ではあるが、果たして完全否定はできるだろうか?

人類は何処から来たのか。進化論なのか、宇宙から来たのか、正解は何処にあるのか。

あの日本代表的ロボットSFアニメが大好きだった幼い記憶の好奇心が蘇る・・・もはやこれはドラえもんかもしれない、エモい、エモすぎるぜムーンフォール。

 

最推しキャラ「K・Cハウスマン」

登場から怪しい雰囲気だだ漏れの愛すべき天才ハウスマン。彼の知恵なくして地球は壊滅していたと言って良いほどの大活躍をするが、彼もまた夢に敗れ日陰で生きている。が、持ち前のヲタク精神と神の頭脳と優しい心で好きなものに突っ込んでいく。むちむちわがままボディは誰もが推したくなるアイドル的要素を兼ね備えている。

時に自己評価の低い友人の背中を無理矢理にでも推してあげる超ポジティブなパトリックとハル・ベリーのようなガッツのある仲間が必要なのかもしれない。

 

覚醒パトリック・ウィルソン

人類の起源を悟り、先祖と契りを交わしたパトリック。全てを悟った男は強い、覚醒だ。もはや人ではないパワーを手にし、よくわからない展開になっていく。いよいよエメリッヒパワープレイかと思う。

宇宙空間でパトリックが超人モードになっている頃、地球はほぼ修復不可能レベルまでフルボッコにされている。本気でとことんぶっ壊すので、もう無理なんじゃないかと思う。いや、いくらなんでもあれはもうダメだと思う。

 

地球のごちゃ混ぜ感もなかなか良い

地上の推しキャラである、息子ソニーの肝っ玉の据わった顔面を楽しみ、そこに焦点当ててませんのでよろしくな薄っぺらい親子の絆をサクッとスルーし、一番の見どころである地球破壊VFXを存分に楽しんでいただきだい。

 

総評

★★★☆☆

アルマゲドンインターステラーを期待してみたらシガニー・ウィーバーだった。

 

最後に、ローランド・エメリッヒ監督が深い人間描写をきちんと描いている「ストーン・ウォール」(2015)もお勧めしたい。

セクシャルマイノリティの権利運動の原点となったストーンウォールの反乱を描いたドラマ。

破壊しない方のエメリッヒ監督もぜひ堪能していただきたい。